この中に当てはまる症状はありませんか?
- 大きないびきをかく
- 睡眠中に呼吸が止まる
- 夜中に何度も目が覚める
- 起床時に熟睡感がない、頭が重い
- 日中強い眠気がある
- いつも疲労感がある
- 集中力がない
- 若い頃より太ってきた
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸とは、睡眠中に何度も呼吸が止まった状態(無呼吸)や止まりかける状態(低呼吸)が繰り返される病気です。良好な睡眠が十分に確保できないために、日中のひどい眠気により生活の質を下げるのみでなく、生活習慣病と密接な関係があります。
睡眠時無呼吸症候群の危険性
「運転中の眠気」は4倍、「居眠り運転」は5倍、交通事故を起こす確率は7倍にも増加すると言われています。また、仕事上のミスや重大な事故に発展する可能性があります。生活習慣病においては、一般の人に比べて、高血圧は2倍、虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)は2〜3倍、脳血管障害(脳出血など)は3〜5倍、糖尿病は3倍 合併しています。単なる眠気と捉えて放置すると、生命に関わる危険性もあります。
睡眠時無呼吸症候群の患者さんの特徴
- 寝る前のお酒が習慣化
- 太り気味
- 首が太くて短く、まわりに脂肪がついている
- 下あごが小さい
- 舌や舌の付け根が大きい
- 高血圧、糖尿病、高脂血症などの既往
検査方法
まずは、自宅で取扱い可能な簡易検査機器を使って、手の指や鼻の下にセンサーをつけ普段と同じように寝ている間に検査を行ない(1晩から2晩)、いびきや呼吸の状態から睡眠時無呼吸症候群の可能性を調べます。簡易検査結果判明まで1週間程度かかります。検査費用は、健康保険の3割負担で約2700円(初診料・再診料などは含まれません)です。検査結果で重症と判定された場合には、近隣の病院(リンク:おんが病院、宗像医師会病院)をご紹介し1泊2日の入院にて精密検査(終夜睡眠ポリグラフ)を受けて頂く必要があります。
治療法
予防法としては、適正体重の維持、寝酒の節制、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎など口呼吸を生じる疾患の治療、横向きでの睡眠などがあります。
治療法としては、CPAP療法(シーパップ:経鼻的持続陽圧呼吸療法)が最も一般的です。この方法は、鼻にマスクを装着して気道に空気を送り続けて気道を開存させて寝ている間の無呼吸を防ぎます。費用は健康保険の3割負担で月4,500円程度です。その他の治療として、マウスピース(軽症例)や手術治療(アデノイドや扁桃肥大)があります。
CPAP療法を行なっている患者さんの例
M.Y.さん 61歳 男性 エンジニア(設計士)
40歳頃よりいびき・無呼吸を妻より指摘されていました。58歳 脳梗塞(麻痺無し)、不整脈(心房細動)発症。60歳になり日中の眠気がひどくなり居眠りなどで仕事に支障を来すようになりました。精密検査にて重症の睡眠時無呼吸症候群と診断され、CPAP治療を開始しました。その後、①朝の目覚めが良くなった ②居眠りせずに仕事(デスクワーク)に集中できるようなった ③神経が研ぎ澄まされた感覚がある ④居眠り運転がなくなった と治療に大変満足されています。
T.Y.さん 59歳 男性 営業職
50歳代となり睡眠中のいびきの悪化と呼吸停止を妻に指摘されていました。眠気による仕事の効率低下を感じていた時に、同僚が睡眠時無呼吸症候群の治療(CPAP)を行なっていることを知りクリニックに相談されました。簡易検査で重症の睡眠時無呼吸症候群と診断されCPAP治療を開始しました。その後、①日中の眠気の解消 ②起床時の喉の痛みの消失 ③空咳が出なくなった などの改善がみられ、出張にもCPAP器械を携行されるほど治療効果を感じておられます。
以上、睡眠時無呼吸がご心配な方は、外来またはお電話でお気軽にご相談下さい。尚、当院での簡易検査は予約が必要ですので、事前にご連絡をお願い致します。