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ヘリコバクター・ピロリ菌検査

ヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)は強い酸性の胃液の中でも生息することができる菌です。ピロリ菌が胃の粘膜に感染すると、持続する胃炎を生じて萎縮性胃炎となり胃がんが生じやすくなります。ピロリ菌を除菌(薬をのんでピロリ菌を退治する治療)することは、胃がんの発生率を低下させます。日本人の胃がんのほとんどはピロリ菌感染が原因とみられています。ピロリ菌は、ほとんどが幼児期に感染すると言われています。幼児期の胃の中は酸性が弱く、ピロリ菌が生きのびやすいためです。そのため最近では、ピロリ菌に感染している両親または祖父母から小さい子どもへの食べ物の口移しなど家庭内感染が原因と言われています。

ピロリ菌を除菌することが、本人の胃がんのリスクを軽減するだけでなく、次世代の胃がん予防に繋がると考えられています。そこで、出産前の女性の検査をお勧めします。

ピロリ菌の検査は、内視鏡を用いて胃の観察をするとともに胃粘膜を採取して行う3種類の方法と内視鏡を用いない採血法・呼気法・検便法の計6種類の方法がありますので、状況に応じて検査法を選択できます。ピロリ菌の除菌治療は、胃酸を抑える薬と2種類の抗菌薬を7日間内服します。初回治療で5~10%の方が除菌不成功となりますが、他の抗菌薬を用いた2回目の治療でほとんどの方が除菌可能です。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍・内視鏡でヘリコバクター・ピロリ胃炎と診断された方は、健康保険を使用して除菌治療を受けることができます。ピロリ感染がご心配な方は、当クリニックにお気軽にご相談ください。

投稿日:2017年10月27日 更新日: 執筆者: